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半導体の電気伝導

ゲルマニウムのバンドギャップの測定


半導体の電気伝導:画像

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公費でのご注文について

セット番号
UE6020100

半導体は高温において,大きな電気伝導性を示します。これは,電子のエネルギーレベルを表すバンド構造が,伝導帯と価電子帯と,その間にある,禁制帯と呼ばれる中間領域から構成されていることに起因しています(不純物を含まないノンドープ型の半導体の場合には,禁制帯に電子が占有状態を持つことはできません)。ところが,温度が上昇するにつれて,より多くの電子が価電子帯に 「正孔」と呼ばれる欠損を作って,伝導帯に熱励起されます。電場を印加すると,これらの正孔は,あたかも正の電荷を持つ粒子であるかのように移動をするために,電子と同様に電流を発生させます。結晶中に定電流を通して,電圧降下と温度の関係を測定す ることにより,不純物を含まないノンドープ型ゲルマニウムの電気伝導率が求められます。この測定結果は,バンドギャップを主要なパラメータに含む指数関数によって,良い近似式として表されます。

実験に必要な機器
品番 品名 価格(税込) 数量
U8487010 ノンドープGe搭載プリント回路基板 154,440円 1
U8487000 ホール効果実験セット 168,480円 1
U13265 支柱用台座 8,208円 1
U13812 プラグ付き安全リード線・75cm,2本セット 3,348円 1
U138021 75cmプラグ付き安全リード線・15本セット(青と赤,各1本ずつ) 24,408円 1
U118091 デジタルマルチメーター・P3340 18,252円 1

上記一式を買物かごに入れる

AC電源 12V(50/60Hz),3A(別途ご用意下さい) 1
追加推奨機器
品番 品名 価格(税込) 数量
U8487020 PドープGe搭載プリント回路基板 154,440円 1
U8487030 NドープGe搭載プリント回路基板 154,440円 1
U11300-115 3B NETlog™(100V, 50/60Hz) 168,480円 1

上記一式を買物かごに入れる

※各製品ページから,それぞれ単品でもご購入いただけます。

実験解説書 ダウンロード(PDF)

基本原理

電気伝導率は,物質の性質に強く依存しています。このことから,物質を電気伝導率で分類することが,一般になされています。比較的高温で顕著な電気伝導率を示す固体は,半導体に分類されます。こうした温度依存性は,電子のエネルギー準位を表すバンド構造が,伝導帯と価電子帯と,その間にある,禁制帯と呼ばれる中間領域から構成されていることに起因しています(不純物を含まないノンドープ型の半導体の場合には,禁制帯に電子が占有状態を持つことはできません)。

基底状態において,価電子帯は電子が占有する最もエネルギーの高いバンドであり,伝導帯は,これよりもエネルギーが高く,電子が存在しない(非占有の)バンドになります。これらのバンドの間のギャップは,Egと記されますが,その値は物質によって異なります。ゲルマニウムの場合,この値は,約0.7eVです。温度が上昇するにつれて ,より多くの電子が価電子帯に「正孔」と呼ばれる欠損を作って,伝導帯に熱励起されます。電場Eを印加すると,これらの正孔は,あたかも正の電荷を持つ粒子であるかのように移動し,電子と同様に電流を発生させます(図1参照)。

(1)

ここでσは,半導体の電気伝導率を表します。

電子と正孔は,異なる平均ドリフト速度で移動します:

(2)
:電子の移動度,:正孔の移動度。

        ,

伝導帯に価電子帯から熱励起された電子による電気伝導率は,真性伝導率と呼ばれています。 熱平衡状態では,伝導帯にある電子数は価電子帯の正孔の数と同数であることから,真性伝導の場合の電流密度は,以下のように書き表されます:

(3)

これから,真性伝導率σは,

(4)

で与えられます。
電子や正孔は電荷のキャリア(担体)と呼ばれますが,それらの密度ni の温度依存性は,以下の式で与えられます:

(5)

ここで,はボルツマン定数,h はプランク定数,mn は電子の有効質量,mpは正孔の有効質量,T は試料の温度を表します。 電子と正孔の移動度もまた,温度依存性を持ちます。特に,室温より上の温度領域で,移動度は,以下のような温度依存性を持ちます:

(6)

ただし,温度依存性に関する主要な項は,指数関数です。これは,高温 における真性伝導率率が,以下の形で表されることを意味します:

(7)

本実験では,不純物を含まない,ノンドープのゲルマニウムの電気伝導 率を求めるために,結晶中に定電流 I を通して,電圧降下 I と温度の関係 を測定します。この測定結果と,以下の関係式から,電気伝導率σが,以 下の関係式を使って求められます。

(8)

ここで,a は,電流に平行な方向の試料の長さを表します。また,b と c は,電流に垂直な方向の試料の長さを表します。これらの関係式と式(1)を使って,電気伝導率σが以下のように求められます:

(9)

評価

式(7)は,以下の形に書き直すことが可能です:

したがって,を縦軸にとり,を縦軸にとって実験結果 をグラフに描くと,得られる直線の勾配から,バンドギャップEgが求 められます。

参考資料

図1:伝導帯にある1つの電子と価電子帯にある1つの正孔が,電場 E によ
りドリフトする様子を表す,半導体のバンド構造

図1:伝導帯にある1つの電子と価電子帯にある1つの正孔が,電場 E によ りドリフトする様子を表す,半導体のバンド構造

図2:ゲルマニウムのバンドギャップ E の求め方

図2:ゲルマニウムのバンドギャップ E の求め方

図3:不純物を含まないゲルマニウムとドープされたゲルマニウムの電気伝導率の比較

図3:不純物を含まないゲルマニウムとドープされたゲルマニウムの電気伝導率の比較

注意

不純物がドープされていない半導体の導電率である,真性導電率は,実用上,あまり重要ではありません。結晶には基本的に欠陥があり,それが電気伝導率に悪影響を与えています。そのために通常は,高純度の結晶にドナーかアクセプターをドープして,電気伝導率を高めます。こうしたドーピングの効果は,n型とp型のゲルマニウムを比較した場合に,顕著になります。ドープ後の結晶の電 気伝導率は,室温では,ノンドープの半導体と比べて,かなり高くなりますが,高温ではこの値は,真性導電率に近づきます(図3参照)。なお,ホール係数の温度依存性は,セット番号UE6020200の 実験で,より詳細に調べられます。

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