月刊3B 2023年4月号 vol.213

2023年04月25日 (火曜日)

2023

ストーマケアモデル、サージカルテープ対応にバージョンアップ

ストーマケアモデルのベストセラー2タイプがバージョンアップされました。皮膚の質感がさらに向上し,サージカルテープもしっかり貼ることができ,皮膚を曲げても剥がれにくくなりました。
ストーマ入口部や造設部のくぼみなど,きわめてリアルにできています。模擬便を注入し,排便処理も可能です。皮膚には耐久性があり,パウチの付け外しを繰り返しても,皮膚は痛みません。

ストーマケア演習用モデル III型
腹部に直接貼り付けることができるストーマケア演習用のモデルです。接着剤なしで,下腹部の形状に関わらず皮膚への自然な接着ができます。皮膚の感覚が非常によく伝わるので,患者役,看護士役の双方が皮膚感触を実感できます。粘着力が弱ってきても,水洗い・乾燥で元通り。何度でも繰り返し使用できます。
価格:35,000円+税
詳細内容はこちら

ストーマケア演習用モデルIV型
衣服の上から着用できるストーマケア実習用モデルです。人前で腹部を出すのに抵抗がある場合,こちらがおすすめです。皮膚接触部分をはがすと,III型同様におなかに貼付けて使用することもできます。
価格:38,000円+税
詳細内容はこちら

先生のコラム「時間のものさし」

縦書き?横書き?
(一財)健康教育学研究所 所長 竹内京子先生

新聞の歴史小説は欠かさず読んでおります。以前はその小説を時々読み漏らすことがあって,残念な思いをすることがありましたが,追加契約した電子版でも読めることを知り,紙媒体の新聞紙上と電子版の両方を併用して読み漏らすことなく新聞小説を楽しんでおりますが,今回はそれに伴う話題です。
最初の頃は,電子版では,一般情報を中心に得ていたので,単純に便利,と喜んで読み直しをしようとしただけだったのですが,スマホで電子版の小説を読もうとしたとき,いきなり一瞬ですが,違和感を覚え,眼が一行目で止まってしまったのです。
それで,文章全体をスクロールして文章全体の構図を把握したうえで,もう一度一行目から読み始めたら,目線は文字を追い始め,内容把握もできるようになったのですが,なんか変な気持ちが湧いてきて,小説の中身を完全に理解したと思うまで,2~3回読み直しをしてようやく,紙面で読み終わったのと同じ感じになったのですが,それでもなにかピッタリ収まらない感覚が残ってしまったわけです。痒い所の場所が同定できないもどかしさ,邪魔になっているのが靴ではなく,何がそうさせているのかがわからない,隔靴掻痒に似た違和感です。
書いてあることも内容も全く同じなのに,紙媒体の新聞紙を持ちながら読むのか,スマートフォンの小さな画面に出てくる文字を縦書きで読むのか横書きで読むのかの違いだけでしたが,この違いが大きかったようです。
つまり,縦書きの文章で自分なりに小説のイメージを作り上げて読んできた連載小説の情報源である「文字配置」が列基準から行基準へと90度回転していることを認識しているにも関わらず,急に目の前に違う環境で文章を読まされた時のプチショック反応により,内容は前日の続きなのにも関わらず,小説がもたらしたイメージが,前日までに作り上げてきたものにピタッと続いていない違和感です。
この違和感は,今では,私の頭の中では,脳が「この新聞小説の文字認識環境」は「縦書きの日本語である」,という前提で処理するように構築された文章認知システムが作動している時に,突然,文字配置が縦書きから横書きに90度回転していたのに気づき,その情報を入れつつ修正しながら認識作業に入ったことが「意識」に上がり,そのれまで無意識下に処理されて読んでいた文字認識工程を,一瞬ですが「意識」に上らせて読むことになった状況に,私の脳が違和感として受け取ったのではなかったかと考えています。
これを確認するために,ここまで書いたところで,今回のコラム原稿を丸ごと縦書きに変換して眺めてみました。紙面が90度回転するだけで,全く違う眺めになりますね。
しばらくすると読み慣れるのですが,切り替えるごとに一瞬違和感が生じるのは変わりませんね。そして,十分に想定していたとしても,環境がかわると,脳の認知システムは落ち着くまでには視覚の場合1~2秒はかかりそうということもなんとなくわかりました。
ヒトの「脳」の働きって凄い!ですね。感動しております。
そして面白いです。

では、また、来月

編集後記

直観に反する話。
プレゼントの箱3つのうち、1つは当たり、2つはハズレ。
あなたは、この中から一つだけ選ぶ。
選んだ後、プレゼントの送り主は、
選ばれていない2箱の中から、ハズレの1箱を取り除いて、
再度、選択のチャンスをくれる。
この時、箱を選びなおすべきだろうか?
最後に残った2箱のうち、どちらかは必ず当たりなので、
そのままでも、選びなおしても確率は50%で同じでは?
しかし、実際には選びなおしたほうが、
当たりの確率は約2倍に跳ね上がる。
これはモンティホール問題と呼ばれる、
直観と実際がかみ合わない好例として知られている。
なぜ50%ではないのか。
まず、最初に当たりを選んでいる確率は1/3なので、
選ばれなかった2箱のうちどちらかが当たりの確率は2/3。
送り主はその2箱からハズレの1箱を除外してくれる。
除外されるのは、必ずハズレというのが重要。
つまり、残された箱は、2箱だった時と同じく2/3の確率で当たりだ。
提唱された当初は、専門家を含め9割もの人が50%と考えたそうだ。
その後、コンピューターによるシミュレーションで、
選びなおしたほうが得であることが確認され、決着がついた。
9割の人間の当たり前が間違っていたことが示されたのだ。
普段の生活で、当たり前と思っている選択肢、
本当は損しているのかもしれない。

By 英司