月刊3B 2024年3月vol.223

2024年03月27日 (水曜日)

2024

お持ちのマネキンでSpO2、ETCO2、換気量測定のシミュレーションを可能にするソリューション REALITi SimConnect

 

REALITi SimConnectは、REALITi360システムと接続することで、パルスオキシメーター、カプノグラフィ、1回換気量の測定シミュレーションを行うことができるインターフェースです。バッグマスクなどに装着することで換気量を測定できます。また付属のパルスオキシメーターは装着センサー付きで、外れた際にモニターでSPO2が非表示になります。人工呼吸用の機構があるマネキンならメーカーを選ばずに組み合わせて利用できるため汎用性が高く、患者モニタリングやクリティカルケアにおいて必要となるスキルの習得と向上を実現するためのトレーニングとテストのシナリオを実行できます。

価格:256,000円+税

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先生のコラム「時間のものさし」 ことの本質:耳眼水平と良い姿勢

(一財)健康教育学研究所 所長 竹内京子先生

耳眼水平(骨格でのフランクフルト水平面)は,左右の耳珠点(耳孔上縁)と左の眼窩点(眼窩上縁)を含む耳眼平面が水平位におかれたときに用いる用語です。
直立姿勢で身長を測る際などの頭顔部の基準となる姿位でありますが,第三者が横から見て姿位を正すことが多いので,最初から自分でこの姿位を保とうとするのは難しいかもしれません。しかし,一度慣れたら忘れませんので,心配は無用です。
この耳眼水平に着目した姿勢は,訓練現場で使われる「不動の姿勢」と呼ばれる直立姿勢での頭顔部の姿位が,それに近いかと思っています。
この不動の姿勢の取り方は,宮本武蔵著の五輪書(1645)の記述を参考にすると役立つかと思います。残念ながら図はありませんが,水之巻,兵法の身なりの事の項(pp.24-25)に,「耳眼水平位」に相当する頭顔部の姿位や,「良い姿勢」に関わる立ち姿にいたるまでが細かく記述されています。
「顔は俯むかず、仰がず、傾かず、ひずまず、目を見出さず・・」という件の通りに環椎後頭関節(下図参照)のみを動かすように意識して,頭顔部を動かしてみてください。一回の試技でこの記述通りの姿位に至らなければ,いろいろな方向に少しずつゆっくりと小刻み且つ繰り返して動かしてみてください。自然に耳眼水平位に近づいていきます。
自分の頭蓋の動きをいきなり内観するのは難しいものですが,私は,慣れるまでは,三面鏡を利用して上半身の姿勢を整えました。意識的には身体は鏡の正面を向いているのに,自分の横顔を見ながら,環椎後頭関節だけを動かす,ということに最初は戸惑いましたが,直ぐに馴れて,よしよし,と思ったまではよかったのですが,環椎後頭関節の動きで,顎を下後方へ引くときの可動域が狭かったのにはショックでした。
原因は,胸鎖乳突筋の停止部と,後頭下筋群の起始部が知らぬ間にガチガチになっており,この部の柔軟性が低下していたことにありました。肩こり感は全く起こしてないし,腰痛も起こしてなかったので,油断をしていました。年相応に身体が硬くなってきているかも,という自覚はあったのですが,長い年月かけて,少しずつ手入れ不足のところが徐々に固まってしまっていたようです。最初は慌てましたが,毎日少しずつ,手抜きをせず,ケアをするようになって,おかげさまで,自己満足できる程度には柔軟性が戻ってきて一安心しております。
良い姿勢については,その定義は様々で明確に定められてはいませんが,例えば,猪飼道夫先生(1977)ば「力学的に安定である」「生理学的に疲労しにくい」「医学的に健康である」「心理学的に心地よい」「美的に美しい」「作業の能率がよい」の6つの基準を挙げています。また,臨床現場での姿勢チェックとして側面から「耳・肩・腰・膝・踝」を結ぶ線が一直線になっているか否かで姿勢の良しあしを評価していますが,いずれも「耳眼水平」への意識は欠落しています。
身体を動かす前に,直立で耳眼水平位の保持ができているかどうかのチェック,可動域が不十分であると感じたときに行う「小さな頷き運動や,いやいや運動」は,ちょこっとゆっくりと2~3回行うだけで十分です。気が付いたときにちょこっとやるだけで,動きは滑らかになり,頭部は脊柱の上端にきちんと保持され,同時に脊柱を構成する椎骨全体の関節アライメントも自然に整っていきます。
関節アライメントのずれは,ほんのわずかであっても,不整の場所を中心として筋を含む軟組織の緊張や無用の張力を発生させ,これらの不整は知らぬ間に体の動きに悪影響をおよぼしますが,これらの無用の張力が生じなければ姿勢保持においても余計な筋緊張が生じないので運動パフォーマンスは向上する,ということにつながるわけです。
上半身の体重が脊柱や下肢骨盤の骨でしっかり支えていられれば,肩もリラックスできるし,立位姿勢保持が楽にできるし,と良いことづくめになります。
筋力アップ含め様々なトレーニングは,良い姿勢で行いたいものです。

では,また!

編集後記

こんにちは。

新潟でも「桜の開花時期予想」がちらほら聞かれるようになりました。
桜の満開は自然の絢爛豪華な催しです。

ところで、今年は季節がずれていると感じることがあります。
それは新潟市外のスキー場の積雪量です。

私が行くスキー場は通常3月半ばで雪がなくなり、滑走不可でシーズン終了になるのですが、今年はなんと3月がシーズン一番の積雪量です。
家族連れのお客さんは3月に少なくなりますので、コンディション最高で、ガラガラな環境のなか、スキーを楽しんでいます。
本当は全く上達できず苦しみながらですが・・・

とはいえ、山間部に雪があるだけで市街地には全く雪がありません。
山に残雪、町では桜、絶景が今年は見られるかもしれません。

ぜひこの機会に新潟へお越しください。

By ゆたか