電子線と磁場の相互作用

電子線と磁場の相互作用

実験番号:UE3070300

外場がないときに電子線が直進することを,真空管内部に封入されている十字型金属板の影を見ることで確認できます。また磁場が存在するときに,十字の影が動くことで電子線が曲げられることを確認できます。

実験の手順

  • 外場がないときに,電子が直進することを確認します。
  • 磁場により電子線が曲げられることを確かめます。
  • 電子光学の基礎を確認します。

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基本原理

十字入りクルックス管では電子線が直進することを,真空管底部の蛍光スクリーンに電子線がつくる十字の影により,確かめることができます。電子線が曲げられたときには,影が移動するので分かります。

陽極と十字の電位を同一に設定しておけば,陽極を通過したあとは外場がない状態となります。この状態でも電子線が直進し,光と同 じように十字の影を作ることを,赤熱したフィラメントからの光の影と電子線が作る蛍光スクリーン上の影が一致することから確認できます。

外場があるときに電子線がどのようになるかは,十字と陽極を接続しているリード線を外すことで見ることができます。この時十字は電子電荷が蓄えられていき,電子線がこの電荷による電場の影響を受けて,十字の影はぼやけていきます。電子線が磁場によって影響を受けるときにも,十字の影が移動したり回転するので確認できます。磁場があるときには,電子はローレンツ力を受けるので,下式のような力になります。

(1) 式

外場がない状態では,電子線は直進します。この事はフィラメントからの光の影と電子線がつくる影の形や大きさが一致することから分か ります。

磁場があるときには,電子はローレンツ力を受けて電子線は曲がります。磁場がもし真空管の軸方向(電子線の進む方向)にある時は, 電子は旋回運動を起こし,影が回転し小さくなります。

参考資料

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