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マイケルソン干渉計

マイケルソン干渉計の動作を学び,空気の屈折率の圧力依存性やガラスの屈折率を測定する


ひんめい:画像

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公費でのご注文について

セット番号
UE4030410

マイケルソン干渉計では光路にハーフミラーを置くことで,光をそれぞれ別の方向へ進む2 本の光に分割します。分かれた光はそれぞれ光路の端で鏡により反射され,もとの光路を戻り再び結合されます。この時に2 本の光路にわずかでも差があると,スクリーンの干渉縞が変化するため検出できます。

実験に必要な機器
品番 品名 価格(税込) 数量
U10350 干渉計 663,120円 1
U10351 干渉計用アクセサリー 109,080円 1
U205001 手動式真空ポンプ 35,532円 1
U10146 シリコンチューブ・内径6mm 2,268円 1
U21840 He-Neレーザー 205,200円 1

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※各製品ページから,それぞれ単品でもご購入いただけます。

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基本原理

マイケルソン干渉計は,かつて光の媒質として考えられていたエーテルに対する地球の運動を検出するために,マイケルソンによって発明されました。この干渉計は光路の微小な差異を感度良く検出します。

装置に入射した光がハーフミラーで2つに分割され別の光路を通り,それぞれの終端におかれた鏡で反射され再度ハーフミラーで結合されます。この為,スクリーンに干渉縞が現れます。(図1)

干渉縞は光路の差異に敏感に反応するので,干渉計を構成している部品の熱膨張さえも検出します。

i),レーザー光源波長測定

片側の光路が長くなったり短くなったりすると干渉縞の数が増えたり減ったりします。光路の変化長Δsと暗線干渉条件は光の波長λを使い次のようになります。

(1) \( 2 \cdot \Delta s = z \cdot \lambda \)

ここでzは増減した干渉縞の数を表す正負の整数です。この関係を用い,可動鏡(写真右側)を微小距離Δxだけ移動させて光の波長を測定します。微小な移動距離Δxは可動鏡に接続されたマイクロメーターネジにより正確に読み取れます。またこの時は空気の屈折率をn=1としても十分です。

それゆえ(1)式のΔsはΔxと等しく,波長λは実験結果から次のように計算されます。

(2) \( \Delta s = \Delta x \) , \( \therefore \, \lambda = \frac { 2 \Delta x } { z } \) , \( \Delta x = \frac { \lambda } { 2 } \cdot z \)

誤差を少なくするために干渉縞の変化数と対応するΔxを複数測定しグラフの傾きからλを求めると良いでしょう。

ii),空気の屈折率の圧力依存性

空気の屈折率の圧力依存性は近似式として次のように表せます。

(3) \( n ( p ) = 1 + A \cdot \Delta p \)

ここで大気圧(~1013hPa)の空気の屈折率を1とし,Δpは1気圧からの差とします。

圧力依存係数Aを求めるためにセッティングは最初,内部圧力を大気圧と同じにしたキュベットを光路に挿入し,キュベットのガラス窓の影響を無くすように可動鏡を操作し干渉縞を調整します。その後,キュベット内の圧力を真空ポンプで変えたときの光路差は(3)式を用いて次のようになります。

(4) \( \Delta s = ( n(p) – 1 ) \cdot d = A \cdot \Delta p \cdot d \)

Δsを(1)式を使いλで表わすと上式は次のようになります。

(5) \( \frac { z \cdot \lambda } { 2 } = A \cdot \Delta p \cdot d \) ,もしくは \( z = \frac {2A \cdot d } { \lambda } \cdot \Delta p \)

zとΔpのグラフの傾きからAを求められます。

iii),ガラスの屈折率測定

ガラスの屈折率を求めるためには,写真のようにガラスを傾けた状態で片方の光路に挿入します。ガラスの屈折率をnglass,ガラスへの入射角をα,屈折角をβ,c0とcglassをそれぞれ真空中での光速(~空気中の光速),ガラス中での光速とすると次のようになります(図2)。

\( n_{glass} = \frac { c_0 } { c_{glass} } = \frac { \sin { \alpha } } { { \sin { \beta } } } \)

ガラス中を光路長a進むのにかかる時間Δtはガラスの厚みをdとすると

\( \Delta t = \frac { a } { c_{glass } } = a \cdot \frac { n_{glass} } { c_0 } \) ,もしくは \( d = a \cdot \cos { \beta } \)

であり,この間に分割された光線は空気中で,c0・Δtだけ進みます。よって光路差Δs(α)は次のようになります。

\( \Delta s(\alpha) = c_0 \cdot a \cdot \cos { (\alpha - \beta ) } = a \cdot (n_{glass} -\cos { ( \alpha - \beta ) } ) = \frac { d } { \cos { \beta } } \cdot ( n_{glass} - \cos { ( \alpha - \beta ) } ) \)

ガラスが入射光に垂直である状態から徐々に角度を変えていくことを考えると,初期状態からの光路差の変化(干渉縞の変化に対応します)は次の式になります。

(6) \( \Delta s = \Delta s ( \alpha ) - \Delta s ( 0 ) = \frac { d } { \cos { \beta } } \cdot (n_{glass} - \cos { \alpha - \beta }) – d \cdot (n_{glass} – 1 ) \)

これと(1)式を組み合わせることで,暗線の増減数zと角度αの関係がでます。

評価

i),レーザー光源波長

実測では初期状態(z=0)とz=+30でそれぞれマイクロメーターの読みが20.00mm,8.24mmでした。マイクロメーターの読みと可動鏡の実際の移動距離は1mm:830nm(メーカー値)なので,これより光源波長λは次のように計算できます。

\( \frac { 2 \Delta x } { z } = \frac { 2 \times (20.00 mm – 8.24 mm) \times \frac { 830nm } { 1mm } } { 30 } =651nm \)

使用光源はHe-Neレーザーでλ=633nmだったので実験誤差は約+2.8%でした。

ii),空気の屈折率の圧力依存性

図3のグラフから傾きmはm=0.039なので(5)式からAは次のように計算できます。

\( A = \frac { m \cdot \lambda } { 2d } =0.30 \times 10^{-6} \,\,\,\, [ \frac { 1 } { hPa} ] \)

これより気圧が1hPa変わると屈折率は約0.3ppm変化することが分かります。

iii),ガラスの屈折率

実験データを理論式(6)でガラスの屈折率nglassをパラメータにフィッティングするとnglass=1.49~1.50である事が分かります。(グラフの曲線はnglass=1.5で描かれています。)

参考資料

光路にキュベットを挿入

光路にキュベットを挿入

光路にガラス板を挿入

光路にガラス板を挿入

図1:左上 マイケルソン干渉計の動作図

図1:左上 マイケルソン干渉計の動作図

図1:右上 空気の屈折率の圧力依存性測定図

図1:右上 空気の屈折率の圧力依存性測定図

図1:下 ガラス屈折率測定時の光線

図1:下 ガラス屈折率測定時の光線

図2:大気圧との差Δpとzの絶対値でのグラフ(キュベット内を減圧して測定)

図2:大気圧との差Δpとzの絶対値でのグラフ(キュベット内を減圧して測定)

図3:ガラス屈折率測定データ,ガラスの角度αとzλ(曲線は(6)式でnglass=1.5として計算)

図3:ガラス屈折率測定データ,ガラスの角度αとzλ(曲線は(6)式でnglass=1.5として計算)

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